2015年4月27日月曜日

「ある魔術師の物語」-イギリス・ミステリ傑作選 ’76 ヒラリイ・ワトスン編  ハヤカワ・ミステリ文庫

☆☆

短篇が10篇収められています。知ってる作者はエリス・ピーターズ、P・D・ジェイムズ、デズモンド・バグリイくらいです。

「風邪を引かないで」キリル・ボンフィグリオリ
前払金を払ったのにしょうもない原稿しか送ってこない小説家を訪ねた出版会社社長の運命。奇妙な味的ブラック・ユーモア。

「ベラミーのバス」ジョン・バクストン・ヒルトン
路地に停まったバスの中に青酸ガスで死んだ十二人の死体。車内に残されたテープレコーダーから事件が解明されて行く。

「死の影なる生」メアリイ・ケリイ
やはり女の子は男子より格段成長が早いなと思わせる辛辣で残酷な物語。でも、どこがミステリなんだよぉ。

「教会の猫」エリス・ピーターズ
可愛がってくれた老婦人を殺された黒猫が犯人を追いつめるがそれは復讐のためだったのか?なんて言う話。ま、他愛無いといえばそうかもね。でも猫だから許す。

「豪華美邸売ります」P・D・ジェイムス
妻に対する殺人未遂容疑をかけられた夫。その同僚が事件を語りますが…
さすがジェイムス、ただじゃ終わらない。ひねったオチにさらに意地悪な香辛料を効かせてます。

「ジェイスン・Dの秘密」デズモンド・バグリイ
バグリイはやっぱり冒険小説書いとけば、みたいな消化不良気味な物語。

「妹の名はネメシス」マイルズ・トリップ
タイトルが大げさな割には中味はしょぼい。第二次大戦中に殺人を犯した男の前にその被害者の娘が現れる。

「ティメオ・ダナオス」ウイリアム・ハガード
キプロス島らしき島を舞台に、トルコ人の肩を持つオランダ人の夫人がギリシャ人警部からスパイ容疑をかけられ国外退去を迫られる。アンブラーなみの陰謀サスペンスかと思ったらイギリス人の夫がやって来て子供騙しの解決。なんだそれ?婦人のキャラクターが良かったのでそれで押して欲しかった。穿った見方をすれば英国の外交政策のずるさを皮肉ってるかとも。違うけどね。

「二本のキアンティ・ワイン」A・E・リンドップ
主人公の家系の説明が長過ぎ、どうでも良いと思う。最初はユーモア物かと思ってたら最後は全然違うし。これって長編のためのあらすじをふくらませたものじゃないのか?話の終わり方が不自然。

「ある魔術師の物語」デズモンド・コーリイ
約80ページ程の作品ですが、イライラしてくる前半20Pは、はしょっていいでしょう。その後、持ち直しますが後半はどうでも良いです。全体に作者の悪ふざけに付き合わされている感が強い。

0 件のコメント:

コメントを投稿