2015年4月27日月曜日

「マルクスの末裔」バリー・メイトランド ハヤカワ文庫

☆☆☆☆

マルクスのひ孫にあたる老三姉妹が住む街の家々が不動産会社の再開発計画により
次々に買い上げられていた。
そんな中、家の売却を断っていた長姉が自宅で死亡しているのが発見され、殺人の
疑いが持たれる。
首都警察の刑事キャシーが担当になり、ロンドン警視庁の有名な主任警部ブロック
がアドバイザーとして派遣されて来た。重大な事件でもないのにといぶかりながらも
キャシーは彼と捜査を始める。そして、被害者と近隣の住人との間にトラブルがあった
ことが判明し、さらにマルクスの未発表原稿の存在も浮かび上がって来る。
しかし、結局、死因は病死との判断で捜査は打ち切りになってしまう。
数カ月後、今度は残された姉妹の一人が不審死を遂げる。

真犯人が解ったと思たんですけど…大ハズレ。
最後までどんでん返しでした。
まず、何故、辣腕警部が捜査の手助けに派遣されたのか、第二部の初めに明かにして読者の興味を再度引くところ、事件の背景に三つの要因を設定したところ。つまり街の再開発問題、近所の住人とのトラブル、マルクスの未発表原稿、それぞれに容疑者を配置して事件を多面的にし、被害者の人柄や性格を複数の視点から明らかしていく手法。
このあたり作者はかなり上手いと思うし感心しました。描かれる街の様子も独特で存在感があります。

どうしてこの作品が日本で話題にならなかったのかなあ。
参考文献として『資本論』の第一巻は読んでおいたほうが良いでしょう、


って冗談です。

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