2015年4月27日月曜日

「オールド・ミスター・フラッド」ジョゼフ・ミッチェル 翔泳社

☆☆☆☆

新刊書店では入手不可。
『オールド・ミスター・フラッド』、『マクソーリーの素敵な居酒屋』を収録。
九十三歳のフラッドさんは魚介類を食べることが健康と長生きの秘訣ということを証明するため百十五歳まで生きたいと思っています。河岸のホテルの一室に一人で暮らし、昼飯は魚の卸売業者から気に入ったものを見つくろって、馴染みの店で細かく指示して料理してもらう。そんなフラッドさんが「私」に語る過去のエピソードを交えた老人の生活と意見。派手でもなく奇をてらったところもない話ですが心に残る作品です。

作者は雑誌「ニューヨーカー」のスタッフ・ライターで、原作はその雑誌の「プロファイル」欄に掲載されたものをまとめて1948年に出版されたもの。
このフラッドさんが実在するのかということについて常盤新平氏の訳者解説によると、ブレンダン・ギル著『ニューヨーカー物語』では『オールド・ミスター・フラッド』の主人公であるヒュー・G・フラッドは架空の人物で作者ミッチェルが知っていた数人の老人の合成であるとしるされているが、「『ニューヨーカー』という週刊誌は事実を尊重し」「『プロファイル』という欄はノンフィクションであって、創作は許されていない」ので本当のところは確かめようがないとのこと。

『マクソーリーの素敵な居酒屋』はニューヨーク市最古の酒場の成り立ちと創業者とその息子、それを受け継いだ経営者の個性とおかしな常連客を描いた作品。
酒場「McSorley's Old Ale House」はこの一文で有名になり、現在では観光名所になっているようです(ネットで見れる)。

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