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英国を舞台にしたミステリを読んでいると、キュウリをはさんだだけのサンドイッチを食べる場面が出て来ることがあります。よほど英国のキュウリは美味しいのかと思っていたのですが、この本によると「昔の英国では、キュウリは珍しい野菜で、珍重されていたため」高級珍味として食べられていたとのこと。その習慣が残っているというわけですね。
英国に暮らした日本人が書いた英国についての、あるいは英国をだしにして日本を語った本を読むと、その人が所属していた階級と日常接した人々の所属する階級によって、いかに英国という国のイメージが形成されているのかがよく理解出来ます。どこの国においても普段接する人々によって、その国の印象が形作られる事は当然でしょうが、階級社会と言われる英国社会だからなお一層その傾向が顕著に、そして悪くすれば偏狭になってしまうのではないでしょうか。
アメリカやイタリアなどについての同様の本と比べて、日本(人)に説教臭くなりがちな理由は、そのあたりにあるのかもしれません。
また、今でも自分が属していた階級に囚われた視点からでしか、英国や日本を語ることができずに本を書いてる人は、己の狭量さを世間に晒しているようなものだと思います。
著者はロンドンで発行されている日本語新聞の編集者として十年間、英国で暮らしたそうです。英国を離れて、三年後に再訪した時の印象を過去の体験を織りまぜて綴った本です。著者はジャーナリストという立場で、様々な階級の人間と接する機会があっただろうし、そういう意味では多面的に英国社会を眺めることが出来たのだと思う。わたしは、著者のそれぞれの国に対するスタンスにはかなり共感を覚えました。
しかし、いかんせん、この著者は文章が拙い。三十代後半に書いたにしては、青臭いというか素人っぽい文章のように感じます。
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