2015年4月27日月曜日

「誰にでもある弱味 イギリス・ミステリ傑作選 '79」

ジョージ・ハーディング 編 ハヤカワ・ミステリ文庫
☆☆

短篇を10話収録。
知っている作家は、ジュリアン・シモンズ、サイモン・ブレット、
エリス・ピーターズくらいです。
すべて'79年に発表されたものですから、ひねりが古いです。
おなじハヤカワ文庫から出ていたアメリカのアンソロジーの軽さと比べると、
やはりイギリスものは良い意味でやや重いかなと。

「手ぬかり」ジュリアン・シモンズ
劇作家でもある中年の俳優が自己満足のために、妻を殺害する完全犯罪を
もくろむという話。まあまあ、ですかね。終盤に展開が読めた。

「狙った大物」アイヴァー・ドラモンド
新参の俗物の釣り師に人手の入っていない、自然豊かな釣り場を破壊された
昔気質の釣り師が殺人計画を立てる。フライの話とかが長すぎてなかなか殺人に
至りません。フライ・フィッシングファンにはうけたでしょうが…
個人的にはこの動機は共感できます。でも乱暴すぎる犯行方法にはひと工夫して
欲しかった。たとえば水死とか。

「二重窓」サイモン・ブレット
サイコ(?)もの。犯行に至る主要人物の心の動きがほとんど説明されていないので
唐突な感じを受ける。

「お灯明の代価」エリス・ピーターズ
修道士カドフェル・シリーズの短篇ものです。
上手くまとめた人情物。強欲な領主が僧院に燭台を寄贈するが、それが盗まれ
番をしていた者がマリア様を目撃する。

「北風」グウェンドリン・バトラー
「警察は自信たっぷり」マイケル・レヴィー
この二つの短篇は訳者の中村保男さんが言及しているように、一人称にかかる
欠点があります。前者はストーリーの不自然な流れが、後者は急な展開に
違和感を感じました。

「オファ・レックスの目」ジョナサン・ギャッシュ
希少なコインをめぐって夫を殺された妻の復讐の物語。その方法がユニークです。

「誰にでもある弱味」アントニイ・レジャーン
イギリスの政治家の話。日本に置き換えると、過去の醜聞をネタに恐喝される
アベ官房長官をコウノ衆院議長が気が進まないけど助けるといった物語かなと。

「ブーディカ女王殺し」アントニイ・プライス
古代ローマに支配されたイングランドに起きた反乱。巻き込まれた男の
一か八かの賭けの話。

「ビジネス・リスク」サラ・ゲインハム
不倫をネタに脅される女性社長の話なんですけど、これのどこがミステリなのか?

��この本は絶版か品切れで入手困難です。

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