指に傷のある女 ルース・レンデル 角川文庫
☆☆☆
わたしは繊細な人間(ああ、この際どうとでも書くぞ)なのでレンデルのノンシリーズは苦手です。どよ~んとした読後感、閉塞感。
重い、暗い、澱む。
それでウェクスフォード警部シリーズを読むのですが、これとて読む前のワクワク感が湧いてくるわけでもない。
シリーズ物はだいたい馴染みの登場人物が出て来て、どんな事件が起こるんだろう?なんて期待しますよね。しかし、このシリーズは、まあレンデルの作品だからつまらなくはないだろう、くらいの感じで手に取ります。
確かにレンデルは上手い、名人だ。でも、なんか作り込んだ、技量に長けた、計算した印象を受けるんですね(特に『運命のチェスドード』など)。そのあたりがノンシリーズ物では成功し、シリーズ物では少々欠点に思えるのかもしれません。あくまでも私的な感想ですが…
読者の感想については訳者の深町眞理子さんがあとがきで触れています。読者の指摘がかなり興味深くて笑えます。
ということで、この作品についてですがトリックがすれすれだなあと思う。うまく丸め込まれたなあ、とも感じる。三十年前に書かれてますが、当時読んだとしたらどうなんだろう?結構センセーショナルだと思う。
日本の首都圏の警察では、この犯行が発覚するかはかなり微妙ではないでしょうか?ありえなくもない。
今回のウェスクフォード警部は「鬼平」みたいに配下の者(もと悪人、かなり頼りにならない)を使って内偵させます。その男の話し方も江戸の町民みたいです(笑)。署長から手を引けと言われてるのに休暇を使って単独で捜査を続けてるし、甥の警視にまで手伝わせる。執念ですね。タイムリミットまで設定してあって緊迫感あり。
それにしてもウェスクフォード警部がいまいちメジャーに成りきれないのは何故?
事件の地味さ故?レンデルがクールすぎるのか?これから解明して行きたいです。
余談ですが女性に対して、警部あんたも男だったのねと思わせる場面もあります。ダイエットで自信が付いたのかな?感心しませんね!
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