��???
村上春樹訳、アメリカの桂冠詩人の処女短篇集、14篇収録。
「更なる人生を」
蠅や馬、果ては恋人にまで死んだ父親の気配を感じてしまう男、
あるいは父親のようになってしまいそうな自分を、
または自分の内にある父親の面影をそれらに投影しているのか…
「真実の愛」
五度結婚し、恋愛を六度した男の話。
男は気に入った女性に出会うたびに“真実の愛”だと思い込み妄想を
膨らませるが、“真実の愛”とは別に結婚した妻たちとは上手くいかず
に別れてしまう。実際の結婚生活の乖離と彼の中の“真実の愛”の陳腐さ、
その身勝手さを描いているのだと思う…たぶん。
「犬の人生」なんのことやら。
「水の底で」などは、作者のただの記憶の断片とそれに付随するイメージを
書き連ねた(だけの)ものではないのか。
「ザダール」はセンテンスの短さも相まって、自動翻訳にかけたら
こんな具合だろうと笑ってしまうほど直訳風。
マーク・ストランドのいかにも詩人が書いたような一部の作品を、
短篇小説として日本語に移す作業は、俳句を英訳する以上に困難を伴うだろうし、
かなり無理があると思う。それは村上氏だけでなく柴田氏であっても。
だから、そういう作品は端からきっぱりと散文詩だと紹介するのが一番良いのでは
ないかとわたしは思います。
無人島に一月滞在する予定がある時にはお勧めの本です。
記号論による分析と解釈になる可能性はあるにしても、再読に耐える本だとは思う。
しかし、誰かが言っていたように、人生は短く読まなければならない本は多すぎる
のです。
0 件のコメント:
コメントを投稿