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ホテルの密室になった部屋で男の射殺死体が発見される。犯行発覚直前にその部屋を訪れた二人の男と犯行現場の衣裳戸棚に閉じ込められていたウェイトレスが容疑をかけられる。挿絵付きユーモアミステリ。
この作品は97年の“このミス”十四位になってるんですね。知らなかった。ということはわたしのような者は、昔の“このミス”を読み返して未読物を古本屋さんで探せば、まだまだ掘り出し物が見つかるかもしれないってことか。泣けてくるよ、いろんな意味で…
イギリスで1951年刊行された作品なので、現代のミステリのサスペンス性に馴れてしまっている身には、どうもストーリーは刺激に乏しいし登場人物はステレオタイプぎみ。
名探偵ヴェリティは、いろいろな証拠を積み重ねてしだいに真相に辿り着くのではなく、デクスターのモース警部みたいに推理が二転三転するタイプです。
でも一介の探偵が警察に邪険に扱われない時代設定は懐かしくていいですね。探偵がすごく偉くて警官を顎で使ってるし。そういうところがいかにも物語といった感じで、古き良き時代のミステリの雰囲気を感じさせてくれます。
正直終盤まではそれほど面白いわけではないが、密室のトリックを解く場面ではあっけにとられました。ありですか?この展開は?それを味わうだけでも読むべきです。
「戦後最高の密室長編」というふれこみですが、密室物によくあるトリック及び状況のややこしさはありません。
それから余談ですがこの作品をネットで紹介されている皆さん、題名は「衣装」ではなく「衣裳」ですよ。わたしも間違えていました。
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