☆☆☆☆☆
マンディーノよりレッツで泣け。
「ホンク&ホラー近日開店」という名のドライブインのオーナー、ケイニーは青年時代に数々のロデオ大会で優勝した経歴を持っていた。しかし、ベトナム戦争で負傷し、車椅子生活を余儀なくされてから、開店以来12年間一度も店の外に出たことがなかった。その店にはケイニーの母親代わりで、夫と死別した上に娘にも家出されたモリーがウェイトレスとして働いていた。そこに最愛の姉を亡くし各地を放浪してきたヴィーナ、妻を母国に残したままのベトナム人のブーイが流れ着く。そして、ケイニーの止まっていた人生の歯車が動き始める。
アン・タイラーの『ここがホームシック・レストラン』くらいちょい恥ずかしめの大衆的な題名ですね。原題の『THE HONK AND HOLLER OPENING SOON』を使ったほうが読者の興味を惹いたのではと思います。
オクラホマの田舎町のドライブインを舞台に、そこに集う人たちの物語。
アン・タイラーが出たついでに比較させてみると、タイラーの作品はいかに家族と言えども分かり合えたりしないという皮肉なテーマを持っていますが、レッツは、たとえ異質なものでさえお互いが理解し合うことができると言いたいのではないでしょうか。それは訳者あとがきで松本剛史氏が書くように「ひたむきな誠実さ」のようなものを持ってすれば。
内容は確かに甘いです。ラストも大甘。前作のほうが主人公たちに厳しかったと思う。
しかし、お疲れ人生にはこういう話が必要な時もあるもので、なぜかジワジワと涙腺が緩んでくる物語です。
それは喪失感から溢れ出るような大粒の涙ではなくて、ブーイやガリリーに表されるような“真摯さ”を前にした時に自然に滲み出るような涙です。
最後に、オグ・マンディーノに恨みがあるわけではないけれど、彼は少々あざとすぎな…(略)
0 件のコメント:
コメントを投稿