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「サキ傑作集」岩波文庫と同じく21の短篇が収録されています。どうして半端な21篇なのでしょうか?なにか意味でもあるのかな?
「サキ傑作集」とのだぶりは「二十日鼠」「狼少年」「話上手」「開いた窓」「宵闇」「セルノグラツの狼」「七つのクリーム壺」の七篇です。あの猫好きにはたまらない「トバモリー」が入ってない!どうも選択の基準が甘いような気がしますね。
岩波文庫版が発行されたのが'81年で新潮文庫版が'58年です。新潮文庫版は改訳や新訳
をせず当時の訳のままなのでさすがに古めかしいです。河田智雄訳とくらべて中村能三訳は直訳かと思うほど堅い感じがします。それが旧版と相まって見た目にもかなり読みにくい印象。そろそろ新訳と西暦表記もお願いしますよ、新潮文庫編集部さま御中。
岩波文庫版に収録されていない作品で今回気に入ったものを上げておきます。
庭に牝牛が入り込んだ家の女性と隣人の画家との毒のある会話がすごく可笑しい「肥った牝牛」、自己中心的なバカップル(古)がでてくる「十三人目」、「開いた窓」の登場人物の“姪”が再び現れたような「休養」。
岩波版は品切れみたいで現在は手に入らないようですが、もし目の前にニ冊あったら岩波版「サキ傑作集」を選ぶと思います。しかし、絶版にせずに長年出版してきた新潮社は偉い、と素直に誉めたいです。
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