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法地質学を専門にする女性学者エムに古脊椎動物学会での講演依頼が舞い込む。
依頼主の古生物学者ディシー博士の自宅に宿泊した翌朝、外出したディシーの他殺死体が発見され、エムに容疑がかかる。学会のシンポジウムに参加して、関係者に話を聞くうちに被害者は日頃から評判が悪く、いかがわしい人物だったことが判明する。
作者は地質学者の肩書きもあるミステリ作家です。長々と書いている著者あとがきによると、この本を書いた“目的と意図”は、自分達の意見を押し付ける“一部の創造論者”がむかつく(あくまでわたしの解釈)ので、「読者のために数時間の娯楽を構築するという枠組みを越えた、どちらかというと個人的な探求にあった。それは、科学における信念および実践と、宗教におけるそれらとのあいだの類似と差異を考察」(P493,494)したのだそうです。
はい、アンドリューズさん、そういうことは余所でやって下さい。結果、ミステリも宗教・科学論も中途半端で印象が薄いものになってしまっていますよ。ラストも尻切れとんぼだし。モルモン教徒との創造説をめぐる会話(作者の自説主張目的)も浮いています。ミステリ・ファンはミステリを期待して読んでいるのですから、自説を述べたいのであれば、上手くストーリーに同化させるか、ミステリ形式ではない啓蒙書を執筆すべきだと思います。
気になったことは、文中に「ブロントサウルス」という恐竜の名称が幾度かでてきますが、この名称はかなり前から使用されていません。「アパトサウルス」が正式名称です。
ついでに、ヘラジカと恐竜のたとえ(P57)も誤解を招きやすいと思います。
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