2015年4月27日月曜日

「魚は夢を見ているか」鈴木克美 丸善ライブラリー

☆☆☆

魚は野良猫の悪夢を見るか?

日本人は世界一魚を食べるのに、河川や海の環境、魚の生態についてはあまり関心を示してこなかったですね。現代でも一部の釣り人のマナーの悪さは環境と生態系を破壊していると言ってもいいくらいだし。

この本は魚の世界に興味を抱いてもらうために書かれています。蘊蓄本と違うところは
なぜそうなるのか?という説明をしているところ。50話の魚についてのトピックスが語られていますが、個人的には数を半分にしてもっと詳しく説明したほうがインパクトがあったように思う。

以下、わたしが興味を引かれたところ。
トビウオが翼(胸びれ、腹びれ)を広げたときの揚力と抵抗の最大比は、約二五もあり、
イヌワシ(!)よりも効率がいい。

魚の舌はものの味を知るのに役立っていないらしい。魚の味蕾は、口の周囲、ひげなどのほか、ひれや皮膚のあちこちに分布している(皮膚味蕾)。

魚の子育ての主役は常に雄の役目。その理由は、最初に産卵があって次ぎに受精があるから。産卵が終わった雌はさっさとその場を離れ、雄と卵があとに取り残される。もちろん哺乳類はその逆ですね。

まだよくわからない疑問も提示してあります。

なぜオニオコゼがみにくくて、姿をかくすのもうまいのに、鋭いとげに毒まで仕込んでいるのか?
たしかにコスト面からは過剰。きっとオニオコゼは捕食者にとってものすごく美味でしかものろまな獲物だった。それでどんなに防御しても襲ってくるので、「しつこいな、お前」と思いながら護身がエスカレートしていき最終的に毒を持つに至ったのでは、と思う。

魚の雌にとって産卵によるリスクはそう大きくないし、産卵しなければ子孫を残せないのに、例外はあるが雄の求愛に消極的で産卵を避けたがるのはなぜか?
さっぱり解りません。

なぜ、サンゴ礁の海に「多様性の高い生物群集」ができ上がったのか?
本書に幾つか答が書いてあります。

最後に魚は夢を見ているかの答えは、
眠っているかどうかもあいまいで、熟睡することもなさそうだから、多分夢は見ていないのではないか、だそうです。だろうね。

2007年6月30日追記

『魚の子育てと社会』桑村哲生 海鳴社 によると、魚類では雄が子育てをするものが多いが、一夫多妻などの場合、雌のみが子育てを行う例もあるそうです。一概に雄のみとは言えないようですね。

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