2015年4月27日月曜日

「デイジー・ダックス」リック・ボイヤー ハヤカワ文庫

☆☆☆

主人公ドクは友人のローンティスにヴェトナム戦争当時に所属していた特殊部隊、通称〈デイジー・ダックス〉の一員を探すために手を貸して欲しいと頼まれる。その戦友とローンティスは戦争中に手に入れた黄金像を長年香港の貸し金庫に預けていた。それを受け取るためには行方不明の戦友が持っている鍵が必要だった。
しかし、ローンティスが何者かに襲われ重傷を負ってしまい、ドクは一人で行方不明の男の消息を負うことになった。

従来の冒険小説という括りで比較すれば、たとえばマクリーンなどの作品がタイフーンの迫る雨期のジャングルに、真夜中しかも素手で放り出されるなにがしかのプロを主人公として描いているとすると、本書は乾期のサバンナをプロのハンターに守られながら、ジープに乗ってサファリツアーに参加している臆病な素人を主人公にして書いているようなものかも。しかし、この主人公には克服すべき厄介な「中年クライシス」という問題を抱えています(ちょっと笑える)。社会的地位もあり経済的にも家庭的にも恵まれているというのに何故か心が満たされていない。心の隙間を埋めるためにやむを得ず冒険という手段に惹かれてしまう。主人公としたら精神分析なりで解決すればそれはそれで良いみたいな感じもあって、そこら辺りが可笑しくもあり切なくもありといったところです。

「デイジー・ダック」ってドナルド・ダックのガール・フレンドの名前なんですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿