2015年4月27日月曜日

「全地球凍結」川上紳一 集英社新書

☆☆☆☆

八億年前ごろから六億年前ごろの地層を調べたら赤道地域も含めて、世界全域で氷河堆積物が発見されているらしいんだよね。「ふう~ん、八億年も六億年もあまり変わらないよなあ、昔過ぎて」氷河堆積物が赤道付近でも見つかるらしいよ。「へっえ~そうなの、で昼飯なに食べんの?」と普通は終わる会話なのに、科学者ときたらそういう現象を説明する仮説として「全球凍結仮説」別名スノーボール・アース仮説を立ててしまったんですね。しかも、対立仮説として“地軸傾き説”(現在23度だけど6.5億年前は60度地球は傾いていた)を主張する科学者まで出てきたりして。

全球凍結状態では地表の温度が氷点下50℃、海洋の氷床の厚さが一キロメートルで光合成もできず酸欠状態なので当時生息していた単細胞生物は絶滅したはず。
なのに、なぜ五億四四〇〇万年前のカンブリア紀に突然、多細胞生物が出現し爆発的適応放散が起きたのか?

地球のエネルギー収支から地球の気候をみると、寒冷解と温暖解が安定解なので一度全球凍結という寒冷解になるとずっと寒冷解の状態ままという結論になるのになぜ現在の地球は温暖な気候に戻ったのか?

こういうパラドックスの答えも興味深いです。
「全球凍結仮説」の調査に協力した著者の知的興奮が感じられ、確立した学説ではなくあくまで仮説であり、これからどういう新事実が出てくるのかという興味もそそられる本でした。

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