2015年4月27日月曜日

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☆☆

動物13種13話の短編集。
カバーイラストからすると、一見ユーモアミステリかと思ってしまいそうですが、ハイスミス女史ですからそんなわけはなく、ほとんどストレートな話ばかり。
少し捻れよ、ブラックユーモアでも良いから…しかし、女史は直球ビシバシ投げ込んできます。
唯一、「ゴキブリ紳士の手記」がユーモアもの。
その他の物語は、二つに分けられると思います。

動物たち(象、駱駝、犬、猫、豚、鼠、馬、猿、山羊)が、直接、肉体的暴力をもって、飼い主をはじめとする人間たちに復讐を果たす話を、動物の視点から語ったもの。様々な国々に舞台を移し替えているものの、ストーリーが皆ワンパターンになってしまっているのは残念。暴力だけでなく、バリエーションを持たせていればもっと面白かったのではないでしょうか。

飼い主が間接的に動物(鶏、ハムスター、イタチ)の共犯になってしまったもの。
「鼬のハリー」は少年とイタチの物語ですが、サキの短篇作品の「スレドニ・ヴァシター」に似ています。少年期の残酷さみたいなものとイタチのイメージが重なるのか。
「ハムスター対ウェブスター」も、少年と動物の関係で見れば同じような傾向の作品かもしれません。「ハムスター対…」はややB級動物ホラー映画っぽい感じですが。

作者は人間という動物が、他の動物に意地悪だったり、残酷だったりすると、当然それに対する報いがあると言いたかったのでしょうか。
それならば、題名は「動物いじめに捧げる殺人読本」が相応しかったような気がします。

2 件のコメント:

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    パトリシア・ハイスミスってリプリーシリーズしか読んだ事がないのですが、これも面白そう!

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  2. SECRET: 0
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    コメント、ありがとうございます。ハイスミスはかなり癖があるような気がします。

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