マーティン・H・グリーンバーグ 編 ハヤカワ文庫
☆☆☆
81年から88年までのエドガー賞最優秀短篇賞を受賞した作品集。
「エミリーがいない」ジャック・リッチー
てっきり、わたしはエミリーの夫が死体を掘り起こすところで物語が終わるものと思っていました。すっかり騙されました。よくできたショート・ショートで、それ以上でもそれ以下でもないと悔し紛れに言ってみる。
「アイルランドに蛇はいない」フレデリック・フォーサイス
人種偏見や文化の相違による悲劇を描いた作品。書きたいのは分かるけど、ラストは余計な気がします。国際謀略小説で成功した人がこういう作品を書いていたなんて意外な感じ。
「女ともだち」ルース・レンデル
いかにもレンデルらしい作品。
先日、『ハイヒールをはいた殺人者』というミステリを読んだのですが、そこでも女装にはまった男が出てきました。イギリス人て女の人(カミラさんとか)も大柄だから男が女装しても違和感がないのだろうか?すごく疑問。
「夜明けの光の中に」ローレンス・ブロック
『聖なる酒場の挽歌』の元になった作品。短篇ゆえにブロック節がより冴える。
訳ありの女性とベッドを共にして「誰がマット・スカダーなんかと夜明けの光の中にいたいと思う?」と内省し、ひとり自宅に帰るスカダー。シニックでちょっと格好良すぎ。
「稲妻に乗れ」ジョン・ラッツ
長篇にする上で何を付け加えたのか、その効果はどうなのだろうか。再び長篇版を考えてみると、
胃弱で頼りない主人公の性格付けは明暗のバランスをとっているけど、作品の雰囲気を考える上ではマイナス、探偵事務所の一階の軽食堂の店主はプラス、ナジャーの恋人の存在は付け足し感があり、あまり効果なし、ナジャーが襲われる設定はありがちだがプラス。
結局、短篇を読めば、あえて長篇を読む必要はなさそうです。
「ピントン郡の雨」ロバート・サンスプン
バイオレンス。話の流れが勢いって感じ。わたしには受賞理由が分かりません。
「ソフト・モンキー」ハーラン・エリスン
ギャングの暗殺現場を目撃したホームレスのおばあさんの話。気の毒な境遇だけど、ぬいぐるみに対する執着が無気味。これが一番面白かったです。
「映画館」ビル・クレンショウ
長篇で読んだらもっと面白そうな話。従来の警察小説と較べて一風変わってますね。
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読んだはずなんですが、まともに内容を覚えてるのはリッチーとローレンス・ブロックぐらいです。リッチーは『クライム・マシン』で再読したから覚えてるんだと思うんですけどね。
ジョン・ラッツはやっぱり短編の方がよかったみたいですね。ハードボイルドでも短編なら何とか読めるので、本が見つかり次第読んでみようと思います。
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この本が見つかると良いのですが…。もしかしたら、いつかkazuouさんのレビューが読めるのでは、と期待してしまいます。