2015年4月27日月曜日

「クリプト・マン」ケネス・ロイス サンケイ文庫

☆☆

ウィリー・スコットは元盗っ人。現在は旅行代理店を経営し、恋人のマギーと同棲中だ。彼の仇名は“スパイダー”。蜘蛛のようにビルの壁面を登り降りできるところからこの名がつけられたのだった。ところがそのスコットがとんでもない事件に巻きこまれた。英政界を揺るがす大スキャンダル。英米ソの情報機関が火花を散らす“情報戦争”のまっただ中へ放り出されたのだ。英推理小説界の鬼才が放つ政治冒険小説。
                               裏表紙あらすじより



KGBが将来英国の指導的地位に就きそうな人物の弱味を握り、自分たちの意のままになるスパイに仕立てようと画策するのですが、その人物が狙われていることを英国側も勘付いてしまったのでその時点で計画失敗じゃないの?その人物の出生の秘密を握る男や“スパイダー”に恨みを持つKGBの上級大将などが絡んで物語が進んでいくのですが、やたらだらだらと長過ぎ。物語の導入部における重要な役割のゴードン・チェスフィールドがどういう経緯で刑務所に入ることになったのかが説明不足。主人公が事件に関わる出来事なんだから、まずそこを語れ。

スコットは元泥棒の技術を生かして屋敷に忍び込んだりして活躍するけれど、どうも主人公のキャラクターが定まらずに損している感じ。個人対組織ではなく個人対個人みたいな戦いだし、敵役の存在感が今ひとつなのでスパイ・スリラー的面白さは味わえません。

0 件のコメント:

コメントを投稿