2015年4月27日月曜日

「草の根」スチュアート・ウッズ 文芸春秋

☆☆☆☆

弁護士で上院議員秘書ウィル・リーは、地元デラノで起こった黒人女性殺人事件の容疑者の弁護を依頼されるのだが、上院議員が倒れ重体の報せがはいる。急遽、上院議員選挙に出馬することとなったリーは選挙運動とともに弁護活動もこなさなくてはならなくなる。一方、アトランタではアダルト書店が人種差別主義者による襲撃を受け、店員が殺害され経営者が重傷を負う事件が起きていた。

『警察署長』に登場した初代署長ウィル・ヘンリー・リーの孫のウィル・リーが主人公です。リー・サーガの一冊ですね。この人がすごく好人物。実際いるのかこんな善い奴?と普通嫌みになってしまいそうなキャラクターなのにそう感じないのは、ヤンキー(北部人)ではなく南部人の設定だからなのでしょうか。わたしの嫌いな減らず口もたたかないし、読んでいて好感を持ちました。影があったり、問題を抱えていたりする現代のミステリの主人公たちに比べて個性がないともいえますが、瑕疵のなさが一つの個性になっているのかもしれません。

物語は、黒人女性を殺害した容疑者の若者の弁護、様々な問題や事件が起きる選挙活動、人種差別主義者の殺し屋とこれを追う元刑事、この三つを柱に進んでいきます。上院議員選挙の進め方など目新しくて面白く読めました。主人公の恋人がCIA職員であるため、女性との交際を公表できず、ある疑惑が持ち上がるエピソードはおかしかったです。

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