ヘレンは恐ろしくなって、台から電話を払い落とした。
友人だというその女の声は、はじめ静かで、微笑んでいた。だが、話すほどに悪意を剥き出しにし、最後にはこちらの死をほのめかす、予言めいた台詞を履いたのだった。不安を断ち切れないヘレンは、亡父のもと相談役に助言を求めるが……。鬼才の名声を確立した名作、遂に登場!MWA最優秀長編賞に輝く衝撃のサスペンス。 裏表紙あらすじより
最近のひねってこんがらがっているサスペンスものと比べてなんとストレートでシンプルな作品なのでしょう。潔さを感じます。
1955年当時、このテーマはかなり斬新だったのではないでしょうか。その後、幾多のスリラー、サイコ・サスペンス小説が書かれているので、プロットの刺激性が薄らいでしまうのは古典の持つ宿命みたいなものだし…、犯人の心理を巧みに描いて、時間とともに色あせない魅力を持たせ、完成度が高い作品に仕上げた作者の才能と力量は素直に評価されるべきでしょう(評価されてますけどね)。ただ、細かいことをいうと、探偵役のブラックシアのヘレンに対する感情の変化は唐突な気がしました。
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