襖を閉めると飛び出す虎!江戸時代、絵画の世界はアッと驚く遊び心にあふれていた。
視覚のトリック、かたちの意外性、「大きさ」の効果。絵師たちの好奇心と想像力が生みだした、思いもよらない仕掛けを凝らした作品を浮世絵・戯作絵本から絵巻・掛軸・襖絵にいたるまで紹介し、新しい絵画の愉しみかたを伝える。図版多数。
カバー内容紹介より
第一章の「生活のなかの遊び-動く図面」が特に興味深いです。
「披見」の意味「ひらいて見る」から、「ひらく」という言葉をキーワードに、絵巻、襖絵、掛軸に描かれている絵と画家の意図を分析しています。著者が指摘するように、絵巻などの「日本の古い絵は、『見る』前に、まずは画面を『披く』必要」があり、その作業による時間的展開性や空間的展開性をそれらの絵画が持っているというわけです。
襖絵については、襖の可動性、開閉したときの視覚効果や図面構成を画家は充分意識していたのではないかと、長沢芦雪(ながさわろせつ)筆の『朝顔に蛙図襖』や『虎図』を例に引いて解説してあります。
特に『虎図』では、開けた状態(左脚と尻尾の半分しか見えない)と閉めた状態(画面から虎が飛び出して来るように見える)を写真(P43)で比較してあり理解しやすいです。
また、『虎図』の裏に描いた猫の親子についての画家の意図を推察している箇所も面白いです。
従来の襖絵(障壁画)研究では、敷居の溝にはめられた襖の位置(これがはっきりしないと、どの画面が隠れるのかが分からない)に対する配慮が抜けていたそうで、たしかに
言われてみればそうなんですが、こういうところに目が向くところが専門家ですね。
第二章の「視点の遊び」では、歌川国芳の「寄せ絵」や「影絵・絵文字」などについて、
第三章の「『かたち』の遊び-猿の図像学」では、日本画の中の「猿」を、特に日本に棲息しない手長猿が取りあげられた理由などについて考察してあります。
無量寺の『虎図』は、
http://www.at-kisyu.com/homepage/kankou_2/kusimoto/muryou.htm
でご覧下さい。
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この著者って『日本絵画のあそび』を書いた人ですよね。こんな本も出てたんですか。本屋で探してみます。
だまし絵とかは、かなり好きなんですが、日本のものはあまり詳しくないんですよね。でも日本の画家でも伊藤若沖なんかは、すごく面白い絵を描いてますよね。基本的に僕の好みは圧倒的に欧米なんですが、日本にもまだまだ知られざる怪作がたくさんあるようで、いずれこの方面も探索してみたいと思います。
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伊藤若沖という画家は、初めて知りました。お恥ずかしい…。ネットで見てみました。
わたしも欧米のものが好きです。特に、ホッパーなどのアメリカン・アートに惹かれます。
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僕はアメリカものよりはヨーロッパものの方が好きなんですけど、エドワード・ホッパーとかジョージア・オキーフとかは、わりと好きです。
ホッパーは初めて見たのが『ナイト・ホークス』だったんですが、一目でいかれました。これってまるでコーネル・ウールリッチの世界!
アメリカン・サスペンスの世界のような物語を想像させる画面が素晴らしいです。って、やっぱり僕は絵画にも物語を求めてしまう傾向があるみたいですね…。
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わたしも物語をあれこれ想像させてくれる絵が好きです。
明るいところでは、モーゼスおばあさんも(笑)。
『ナイト・ホークス』、コーネル・ウールリッチのたとえは的を射てますね!ホッパーの暗くて冷たいエッジの効いた画風が気に入っています。