わたしトレイシーは売れっ子ミステリ作家。小説内では難事件も華麗に解決できるから現実の事件も楽勝、と思いきや結婚を目前にした義妹が誘拐されたから、さあ大変。婚約者はどうも頼りないし、義妹の家族は何か隠してる。すべて怪しく見えるのだ。そんな時、義妹が営む料理店を売れば解放するとの奇妙な脅迫電話が!天使の顔に悪魔の毒舌、素人探偵トレイシー颯爽と登場。小説を愛す素敵な貴女に贈る凛としたミステリ
裏表紙あらすじより
と、最後のくだりはそれ程のものかとも思いますが、「貴女」を対象にした典型的な4Fミステリです。
スピーディーでシニカルで、一人称の軽い乗りで読ませてしまう語り口はリップマンのテス・シリーズに似ています。しかしながら、ミステリ部分が弱い。口調は軽くても良いけど、ミステリまで軽すぎ。この動機ならば、もう少し感情を描写してもよかったのでは。結末も納得がいきませんでした。
このハリウッドスターの両親を持ち、弁護士と結婚した売れっ子作家の主人公にはコンプレックスがない。お嬢様の独り善がりな探偵ごっこ話のように感じるのはそのせいかもしれません。キャラクターに何らかの欠点や負の部分を加えなければ魅力は増してこないと思います。シリーズ物ですので、主人公はその後成長しているのかもしれませんけれど…。これ以降の作品は翻訳されていません。この作品も品切れみたいです。
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