暗い壁から突き出た人間の首―
七歳の少女ルースは夜ごと見る悪夢に怯えていた。
叔父夫婦と生活する彼女には、幼い日の記憶がなかった。
悪夢の意味を解く鍵は、誰もが口を閉ざす彼女の過去に?真実を追うルースは、
やがて両親の間に起きた忌わしい事件を知るが……美しい田園を背景に“ほんとうの自分”を探る少女の姿を描く、クラシックな英国サスペンス。 内容紹介より
一人称で語られる、かなり文学寄りなサスペンスもの。トマス・H・クックの作品が好きな方にはお勧めかも。
但し、三十年ほど前に書かれたものなので、最近のサスペンス小説のような刺激を期待すると物足りないかもしれません。「わたし」の、七歳から十八歳にかけての自分探しの物語です。一人称であるために、当然、「わたし」以外の人物の心理描写が限られてしまい、ストーリーに広がりがないように感じました。かといって、この自己中な主人公が、なにか魅力的な性格付けをされている訳でもなく、精神的な成長を遂げていくのでもないので、出生の秘密や両親の謎というテーマだけで引っ張っていくのは無理があったような気がします。主人公を悪女にしてしまえば、インパクトがあったかも、まあ、それだとレンデル作品になってしまうけれど…。
作者は英国本国で人気があり、沢山の作品を発表しているそうです。しかし、日本人向きではないのか、本書以外では『殺人創作講座』(ハヤカワ・ミステリ)が出版されているのみです。
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