2015年4月27日月曜日

「味と香りの話」栗原堅三 岩波新書

☆☆☆☆☆

ビールはのど越しの味がうまい。香り物質には殺菌作用がある。
これらの通説に科学的根拠はあるのか。私たちが食物を食べたり、
匂いをかぐとき、何の味を味わい、どんな香りをいいと感じているのだろうか。
味物質や匂い物質から、感覚器を経て脳にいたる感知メカニズムまでを、
最新の研究成果にもとづき、話題豊かに紹介する。
                      内容紹介より



美味しいとか不味いとか、いい香りとかいやな匂いとか、日常生活のうえで自分では解りきっていると思い込んでいる身近なことが、科学的にどの程度解明されているのかが理解できる本です。ウナギの嗅覚(アミノ酸一グラムを一万トンの水に溶かした濃度に応答する)トリビア的な情報も興味深いのですが、ミラクルフルーツがなぜレモンのような酸味があるものを甘く感じさせるのかについての科学的な説明(この特性が種子散布など生物学的に有利かというとそうでもないらしい(笑))、フェロモンによるマウスのブルース効果とヒトのHLAとの関連性の研究結果の話など興味深いものばかりです。

今までに読んだ構造式が載っている化学関連入門・啓蒙書の中では一番解りやすく読みやすかった。とっても素晴らしい本です。
岩波新書編集部の方へ、この本の帯には“本みしゅらんも絶賛!!”と書いていただいても結構です(書かないだろうけど…)。でも、こういうことを言うのは権威を持っている気分になって楽しい、自己満足でも嬉しい、しかし、ちょっと虚しい。

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