2015年4月27日月曜日

「シャーロック・ホームズ鑑賞学入門」木村申二 丸善ライブラリー

☆☆

ご存知、シャーロック・ホームズの事件簿は、相棒ワトスン博士によって綴られたものであるが、これを読み解いてゆくと、そこには語られていない謎や真実の数々がかくされているのではないだろうか。この謎や矛盾をじっくりと分析、検討し、従来とはちょっと違った「ホームズもの」の鑑賞法を提供しよう。ただし、目くじらを立て、肩をいからせずに、気軽に読んでいただきたい。  内容紹介より     



シャーロキアン(あるいは、ホームジアン)の著者が、「ノーウッドの建築師」、『バスカヴィル家の犬』、「株式仲買店員」の三作品(彼らは正典または聖典と呼ぶ)を俎上にのせて語っています。なんだか付いて行けません。なんといっても、濡れ衣を着せられたり、奸計に陥った登場人物の犯人への対応を疑問視、問題視し、著者がその人物になったつもりで(?!)、その登場人物が「もっとしっかりしていれば、したであろう」(P150)応答、やりとりを仮想(妄想?)で繰り広げているところは唖然。そうしていたら、そもそも事件は起こっていないんじゃないのか?
まあ、ホームズ・シリーズは現実に起きた事件をワトスン博士(ドイルの創作ではなく)が記録したものである、というシャーロキアンの言い分は分かりますが、なにもそこまでしなくても…。

それで、わたしも著者にならって、本書を分析し、検討してみました。
「敬愛するホームズの採点など、おこがましい」(P75)と言いながら、別の章では「本事件のホームズの推理は甘く採点しても八十点ぐらい」(P181)と、しっかり採点しているじゃないですか。
土曜の午後の閑散としたビジネス街では怪しい素振りをすると人目につくのに、なぜ平日の夕方ではなく土曜日に実行する犯罪計画を立てたのか、と疑問を呈していますが、その前の項で「土曜日の犯行だと、うまく行けば月曜日まで、犯罪が発覚しない」(P147)と他の事件を引き合いに出して説明しているではないですか。

取りあげられている三作品を読んでから、この本を手に取ればとても楽しめる内容だと思います。

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