屋根裏部屋で見つけた催眠術の入門書。泣き虫の弟リトル・エディを実験台に、その恐るべき効果を試す少年ハリーを描くストラウブの「ブルー・ローズ」。マンハッタンを徘徊する悪鬼との対決を綴るバーカーの「魂のゆくえ」。他にも、18名の俊英たちが現代の恐怖を鮮烈に描き出す。『ナイト・フライヤー』『闇の展覧会』と並び称される傑作ホラー・アンソロジー、ついに邦訳版で登場。 内容紹介より
ブルー・ローズ(ピーター・ストラウブ)、怪物(ジョー・ホールドマン)
空隙(カール・エドワード・ワグナー)
蒼ざめた震える若者(W・H・パグマイア&ジェシカ・アマンダ・サーモンソン)、バラバラ殺人のためのBGM(マーク・レイドロー)、さらば、闇の恋人(ロバータ・ラン)、向こう側(チャールズ・L・グラント)、いじめ(スティーヴ・ラズニック・テム)、鍬を持つ男(ジョージ・クレイトン・ジョンスン)、やつらの目あては(レス・ダニエルズ)
吸血鬼(リチャード・クリスチャン・マシスン)、とぎれる(チェルシー・クイン・ヤーブロ)、最後の石(ウィリアム・ノーラン)、非関連性(ニコラス・ロイル)、手(ラムジー・キャンベル)、鐘(レイ・ラッセル)、魂のゆくえ(クライヴ・バーカー)
死の収穫者(ロバート・ブロック)、転移(エドワード・ブライアント)、苦痛(ホイットリー・ストリーバー)
わたしは、想像(イメージ)力および理解力に乏しい。観念的な作品を読解する力がない。絵画に例えると、抽象画を観ても画家が何を表したいのかが分からない。と退路を確保しつつ、このアンソロジーについての個人的感想を書きます。
作家の皆さん、それぞれが独特の世界や雰囲気を持ってらっしゃるのは読み取れるのですが(ストーリーとして一番分かりやすく大衆的な『最後の石』ウィリアム・ノーラン作が、もっとも陳腐な世界に思えるのは皮肉な感じ)、どうも作品の完成度の点では中途半端に感じる作品が多いです。良くいえば斬新かもしれませんが、悪くいえば、作者の思い付きにまかせて書き上げた、頭に浮かんだイメージありきだけで終わってしまっているような(まさしく題名通り、「結」の部分であるエッジをカッティングされた)印象を受ける作品が多いのです。ただ、無理に結末をこじ付けるよりは、イメージを膨らませたまま終わる方が良心的かもしれませんが…。しかし、それに見合う技術と+αの才能がなければ、物語はただ見た夢を書き連ねたようなものにしかすぎなくなる訳ですよね。
そんな作品の中で、わたしでも知っている作家たち(ストラウブ、バーカー、ブロック)の作品はそれなりの完成度があると思いました。マシスンのは、訳の分からない詩みたいなもの?でした。
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個人的に、起承転結のきいた物語が好きだ、というのはありますが、このアンソロジー、その点ではあんまり満足できませんでしたね。てん一さんの書かれているように、イメージだけしかない作品、というのが多いように思います。
雰囲気やイメージ醸成に凝るのもいいのですが、それなりの筆力がないと、退屈になってしまうよい見本だと思います。ストラウブぐらいの筆力があれば、それなりに面白く読めますが、他の作家は…。
そんな中で、ロバート・ブロックは、相変わらずのわかりやすいホラーで楽しめたのが、救いでしょうか。
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イメージ中心で描かれてしまうと、それを理解できない読者(わたし)が悪いような、引け目を感じてしまいます。でも、kazuouさんに分かってもらえて、ちょっと安心しました(笑)。