老人が愛犬と共に川釣りを楽しんでいる。そこへ少年が三人近づいて来た。中の一人は真新しいショットガンをかついでいる。その少年が老人に二言三言話しかけたかとおもうと、いきなり銃口を老人に向け金を出せと脅した。老人がはした金しか持っていないと判るや、その少年は突然、銃を犬に向けて発砲し、頭を吹き飛ばした。愛犬の亡骸を前に呆然と立ち尽くす老人。笑いながらその場を立ち去って行く少年たち。あまりにも理不尽な暴力!老人は“然るべき裁き”を求めて行動を開始する。
裏表紙あらすじより
ケッチャムの作品はどうもわたしの好みではなさそうだったので今まで避けていましたが、この作品はそれ程過激じゃなさそうなので読んでみました。
なんといってもテーマがシンプルで一貫してぶれないのが宜しい。老人が望むことはきちんとした謝罪と正当な法による処罰のみ。しかし、それが叶わないとなれば……。でも、彼がここまでけじめを付けようとするのは、ただ復讐の気持ちからだけではなく過去のある出来事が遠因になっているということも物語に奥行きを与えていると思います。抑制を効かせた感情描写とバイオレンスに流されないハードボイルドタッチのストーリーはかなり渋く、妻に先立たれた孤独な主人公の老人はとても格好良く描かれています。
難を言えば、犬を撃った少年とその父親がありふれたタイプだったこととキャリー・ドネルとの恋愛話は必要性がなかったように思われること。なんだかそこだけ浮いてるし…。愛犬家の方は、読み終わったあとで飼っている犬の頭を撫でてやりたくなる話です。
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けっこうまともそうな話なんですね。
僕はケッチャムは『地下室の箱』を読んで、げんなりしてしまい、それから手を出してません。他の作品もこんなのかと思ったら、ちょっときつかったもので。
機会があったら読んでみます。
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kazuouさん、ケッチャムが相当エグイという話を聞いておりましたのでスルーしていました。これは彼の作品の中では唯一安全なのかもしれません。