海兵隊あがりの冴えない泥棒ティム・カー二ーは、服役中の刑務所で正当防衛のためにヘルズエンジェルズの男を殺し、塀の中にいながら命を狙われる身となった。生きのびる道はただひとつ。ティムの容姿が、南カリフォルニアの伝説的サーファーで麻薬組織の帝王、ボビーZにそっくりであることに目をつけた麻薬取締局の要求を飲み、Zの替え玉となることだった。愛すべき悪党どもに、ミステリアスな女。波の音と風の匂い。気怠く心地よいグルーヴ。ウィンズロウが新境地を切り拓いた最高傑作!
あらすじより
ニール・ケアリー・シリーズ終了後に移籍先から刊行された第一弾だそうです。訳者あとがきに本書に対するカール・ハイアセンの褒め言葉が引用されていますが、『ストリート・キッズ』などケアリー・シリーズでは感じなかったけれど、この作品はハイアセンの作風というか傾向が似ているように思いました。但し、あれほど癖はありませんが。ボビーZ伝説の語り部であるワンウェイの存在とか、かなりエンターテイメントしているところとか、フィルターのかかった悪役の描き方とか。ハイアセンが誉めるのもむべなるかなといったところですが、マイクル・コナリーやなんとロバート・B・パーカーまでが絶賛しているなんて…少々絶句。
確かに面白くて楽しめるアメリカ風エンタメ系ミステリ?冒険小説?で痛快で爽快です。
唯一気になるのは、ドブネズミくらいの値打ちしかないへたれな主人公が、いきなりランボーも顔負けの良心的人間戦闘兵器に変身してしまう場面です。そこはいくらなんでも無理があるのでは。やはり葛藤なり心の変化にもう少しページを割いて描き込んだほうがそこら辺りを納得させられたと思うのです。ケアリー・シリーズには500ページほど費やしているのですから、できないわけではないでしょう。あるいは、エージェントか出版社の関係で原稿枚数を減らされたのでしょうか?ありえないけど。
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